アスベスト使用状況の見解

 



平成17年8月12日

 

空調ダクト工事などにおけるアスベスト材料の使用状況については現在のところ下記のように認識しております。

◎ たわみ継手(キャンバス)
一般空調仕様については、昭和52年度の建設省仕様に記載があり、昭和56年度にはガラスクロスと記載が替わっているので、昭和56年度頃までのものにはアスベストが使用されていた可能性が高い
排煙仕様については、同様に平成元年度にロックウール等と記載が変更になっているので、平成元年頃までは使用されていた可能性が高い。
◎ ガスケット
パッキンについては、平成元年度の建設省仕様にロックウール等と記載が替わっているので、平成元年頃までは使用されていた可能性が高い。
ただし、一般空調については昭和60年ごろから共板ダクトの普及に伴い、ネオプレンスポンジパッキンなどに変更していたこと、厨房関係については耐油の関係でトップシーラなどを使用していたので、昭和時代の物でもアスベストの可能性は低い。
旧建設省機械設備工事共通仕様書の内容
仕様書年度
材   質
名   称
備   考
昭和56年度版
アスベスト
フランジ用パッキン
JIS R3450
昭和60年度版
アスベスト
フランジ用パッキン
JIS R3450
平成元年度版
グラスウール
ロックウール
フランジ用ガスケット
糸     状
平成5年度版
グラスウール
炭素繊維
ロックウール
フランジ用ガスケット
アングル工法
コーナーボルト工法
平成9年度版
材質不問
フランジ用ガスケット
建設大臣認定品
平成13年度版
※記載無し
※記載無し
※基準法による
◎ その他の使用可能性
配管のパッキンなどに使用されている可能性がある、また、石綿セメント管が水道本管に使用されていたり、耐火を求められる排水管にトミジ管と呼ばれるビニール管との二重管が使用されていたことがある。

保温材の外装に使用されている可能性がある
従って、
(1) 使用禁止時期は・・・おおむね、平成元年と思われる。ただし、使用が禁止された後も在庫品などの使用可能性もある。平成にはいり、ほとんどが代替品になったとの認識である。
(2) 含まれるアスベストの種類は・・・白石綿(クリソタイル)と認識しております。
(3) アスベストの含有の判別の方法・・・キャンバスに品番の記載がある訳でなく、形状等から判断するとしても、ガラスクロス等との区別は難しい。
(4) 飛散する安全性・・・パッキンは密閉されているので、飛散の可能性は低い。キャンバスについては、内面での飛散防止のないものは、すでに飛散している可能性が高い。破砕したり、切断すれば断面からさらに飛散すると思われるので、平成元年以前の解体工事や撤去の際にはパッキン類、キャンバス継手には注意が必要である。
撤去された石綿などの産業廃棄物としての区分は「廃石綿(特別管理産業廃棄物)」であるので、移動や処分については許可が必要。
<<<<資格関係>>>>
(石綿障害予防規則27条による)石綿等が使用されている建築物又は工作物の解体等の作業に係る「作業従事者」:特別教育
産業廃棄物としての「廃石綿等」の運搬収集、処分などの業者:廃棄物の処理及び清掃に関する法律14-4による特別管理産業廃棄物処理業としての都道府県知事許可
廃棄物処理法による産業廃棄物としての「廃石綿等」の特別管理産業廃棄物管理責任者:10年以上の実務経験など
(石綿障害予防規則19条による)石綿作業主任者:特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、石綿作業主任者を選任
→特定化学物質等作業主任者技能講習:大阪労働基準連合会などの主催する技能講習
解体工事業を営もうとする者:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律21条により登録が必要
解体にあたっては、石綿障害予防規則に基き作業計画を作り、労働基準監督署に届出が必要。現場には石綿作業の有無の明示、石綿の除去には排気装置の要件など規定がある。
<<<<外部リンク>>>>>
厚生労働省 石綿情報>>建物所有者・解体事業者向けパンフレット
国土交通省 アスベスト問題対応
環境省 アスベスト問題に係る政府の対策について
環境省 産業廃棄物としての廃石綿等の扱い
東京都環境局 建築物の解体等に係るアスベスト飛散防止対策マニュアル
建設災害防止協会 「石綿取扱い作業従事者特別教育」ご案内リーフレット(PDF)
全国建設業協会:建築物の解体に伴う有害物質等の適切な取扱いパンフレット(PDF)
石綿障害予防規則